- 発話者自身である第一人称で、単独の場合と二者以上の場合
- 発話の相手である第二人称で、単独の場合と二者以上の場合
- それ以外の存在である第三人称、単独の場合と二者以上の場合
つまり英語話者は無意識に主語を6つに振り分けています。
言い換えると次のようになります。
Englishにすると次のようになります。
日本語には英語のような主語はない
日本語は英語のように「人称ごとに決まった主語」、「動詞を支配する主語」という「主格人称代名詞 (I, you, he/she, they/it)」はありません。そういう概念がないということは、習得が難しいということでもありますので、気をつけて勉強していく必要があります。
英語の授業で、英語の文を直訳した時の日本語や英語の先生が訳したときの日本語がなんとなく変に聞こえるのも、そもそも日本語には英語のような主語がないからです。
"Where are you from?" 「あなたはどこからきたのですか?」
"I am not Taro" 「私は太郎ではありません」
"I cannot do that" 「私はそれができません。」
"Many Japanese learn English for 6 years, from junior high school to high school." 「たくさんの日本人は、中学校から高校まで、英語を6年間学びます。」
(そもそも「たくさんの日本人」って言いかたが変に聞こえる。)
私が中学生だった時、私は英語の翻訳を強制する先生の日本語訳が変に聞こえて仕方がありませんでした。私は、彼らの頭がおかしくないのか不思議に思っています。あなたは変に聞こえませんか?あなたも変に聞こえますよね。私はあなたがこの翻訳の日本語がおかしいと思っていると考えています。私は変に聞こえます。それでも、中学の英語の先生は、「君の日本語は変だ。日本語が変だと英語も難しいと思う。まずは日本語の勉強をしなさい。それから、この間のテストの翻訳、君、many peopleのmanyを訳していない。あれは、たくさんの人々と訳さないといけないんだよ」と言いました。しかし (however)、「日本語訳も日本語も変にしゃべる英語の先生」に言われても、英語の先生のいったことに説得力がなく、私は大変困惑しました。
英語のように主語をつけて日本語の文を作ってみました。変ですよね。一度友達同士で、全部、英語のような主語をつけて日本語の会話をしてみてください。多分できないと思います。例え出来たとしても気持ち悪くなるだけです。でも試してみてください。日本語がどういうものか、英語の話者がいかに話しているのか、が体感できます。
ちなみに、英語教育では「あなた」が"you"の訳語として用いられることがありますが、日本語で「あなた」を使うことは稀です。昭和のドラマなどで、女の人が「あなた」と言う場面があるかもしれません。でも今は昭和の古い時代ではないですし、そんな風に彼氏や夫を呼ぶ女の人はいないと思います。いたとしたら、昭和のドラマかなんかで演技してるのかと思ってしまう。また、"I"には「私」が訳語として用いられますが、これも稀だと思います。
日本語では、自分のことを指して言うのに「私(たち)」以外にも、「俺(ら)」「僕(ら)」や「自分(ら)」、「先生(たち)」「本官(ら)」「お母さん(たち)」「お父さん(たち)」などの役割を指す言葉、さらに「アキ子」「一郎」といった自分の名前、など、さまざまな名詞が使われます。相手を指していう時も、「先生ぇ」「皆さん」「君たち」「おまえら」、「お前」、「花子」「太郎」など色々な名詞が使われます。
日本語には英語のような主語はないです。めんどくさいですが、更に英語は、主語によって動詞(verb)の形が変化します。また、過去の話しをすることでも、その動詞の形が変わり、さらに主語によってその形が変わります。動詞に関しては別途説明します。