語学を学ぶことの目的と言葉の規則 (いわゆる文法)について
語学を学ぶ目的はなんでしょうか?最終的に色々な人とコミュニケーションを取れるようにすることです。長文問題や文法問題などの問題を解けるようにすることではないです。文法を知らなくても言葉を発することはできます。皆さん日本語の文法は知っていますか?日本語の規則を文法用語を使用して説明できるでしょうか? 知らなくても日本語を話し、友達同士でコミュニケーションはできます。(ちなみに高校受験で言う長文問題は長文ではないはずです。日本語であの長さの文章を長文と言うでしょうか?そもそも解きたいと思いますか?それとも解くのではなくて「読みたい」と思いますか?)
一方で「言葉の規則の基本」を全くしらないままで通じる文章を話したり、書いたり、聞いたり、読んだりすることは難しい。日本語で、「英語、は、勉強、きらい、僕、は、の」と言われたら、何を言っているのか理解するのに時間がかかります。「僕は英語の勉強はきらい」といえば通じます。文法は暗記する必要はありません。また、最初に英語をやり始めた時点で文法の説明ができる必要もないです。英語について学び始めたばかりの時に文法を完璧に知る必要はありません。
ただ、英語の学習を続け、複雑な文章を扱うようになると、最低限の英語の規則は知っておくことが求めらることが増えます。私たちは無意識に、話し方や書き方で、他人の知的水準や社会的地位を判断することがあります。また、アカデミックや仕事場で、論文や報告書を書く時には最低限の規則に従いきちんとした文章を書くことが求められます。また、通じるようにするためには、最低限の規則は知っておく必要があります。ここでは、英語を学ぶ上で、最低限理解しておいたほうが 良いかもしれないと思う規則を、日本語と比較しながら簡単な解説をします。自分の語学学習に役立ててください。
英語と日本語は違う
あたりまえだと思うかもしれませんが、知っていても日本語の発想で英語を話そうとする人は多いです。それが普通です。(例えば、「仕事何時におわる?」の質問に対して。日本語だと「 6時!」と答えます。英語では、"When do you finish work?"と質問し、I finish my work at 6 pm.と答えます。なぜか When work finish?と質問せず "It's 6!"とは言わない。通じる人には通じるけれど。) 以下英語の特徴をあげておきます。
- 文は、かならず主語 (Subject)があり、動詞 (Verb)を核とする
- 名詞(noun)や形容詞(adjective)を補語とする動詞(be動詞)がある
- 文法上において、時制 (tense)の概念がある
- 完了相がある
- 進行相がある
- 主語(subject)の設定が必須
- 主語について(第1人称・第2人称・第3人称の3つ)と(単数、複数)のカテゴリーがある
- 名詞を単数(single)と複数(plural)で区別する。そのくせ「カウントできない名詞 (uncountable noun)」がある。
- 冠詞 (article)がある (a, an, the)
- 代名詞(pronoun)がある (This, that, it, his, her, these, those)
- 前置詞 (preposition)がある (in, at, for, on, into, with, etc)
- 英語の be動詞にあたる動詞がない(「〜は〜です」は動詞ではないです)
- そのため動詞がない文があり、名詞や形容詞がそのまま述語になる(「幸せ。」という文に動詞はない)
- 文法上の時制の概念や完了・進行などの相の概念がはっきりしない(「会った時聞いてみるよ。」「あっ、雨降ってる。」)
- 英語のような主語は設定されない
- 英語のように6つのカテゴリーの主語を想定しない
- 名詞を単数と複数で区別しない(「三本の鉛筆たち」「大勢の彼氏達」「一人の彼女」「たくさんの人々」????)
- 冠詞はない
- 英語のような代名詞はない(「私は」「俺が」「お母さんはね」)
- 前置詞はない
以上のような特徴は英語を学ぶ上で障害になっている可能性は大きいです。自分の母語にない概念は外国語を学ぶ上で身につけにくいものです。なので、文法を間違ったということで注意されてもそれで英語がだめだということはないです。だって日本語から考えたらわけがわからない。ただ、気になるようでしたら、このページや自分にあった参考書をみるなりしてください。今後このページで簡単な解説をしていきます。